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第3回「豊後街道を歩く」野津原から今市宿まで! 2013年12月19日 [旧街道を歩く]

第3回「豊後街道を歩く」野津原から今市宿まで! 2013年12月19日
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今市の丸山八幡神社の楼門、ここで猫にまとわりつかれる

 大分市県庁前からバスで移動し、前回到着地点の野津原に8時45分着。
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野津原
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信玄曲り

 昨日までの雨がやみ曇りのち時々晴れの天気。福城禅寺を通過し、枡形をえて国道442号線に合流し七瀬川を渡る。消防署の先すぐ右に旧道入口あり。ここからが赤坂の石畳。「赤坂」の名は七瀬川のことをかつて赤坂川と呼んでいたから。
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「赤坂の石畳」入り口
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 500mほど行った右手段上に「夜泣き止め地蔵」南新四国霊場第34番観音坐像。両手は補修したか。両脇に鎮座する石柱仏も古そうだ。真後ろの洞窟内にも4体仏あり。1体は首なし。
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「夜泣き止め地蔵」
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 古道正面に水道橋があり、柱に「大正14年5月新設熊谷工設」の彫字がある。
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水道橋

ここからは下りの「伊塚の石畳」で、分厚く積もった落葉を踏み歩く。
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伊塚の石畳

 約1㎞に及ぶ石畳とその周辺の景観は、当時の姿をそっくり残したもので素晴らしい。すでに知られている東海道や中山道の峠の残された石畳の景観と遜色ない。驚きのあまり、まだこんなにも残っているのだ!と興奮して声を上げた。今市の石畳どころではない!拙句「忘却の石畳あり冬木立」

9時30分、「伊塚の石畳」出口に池辺家の墓があった。ここで道を通りかかった軽トラの男性に道を尋ねる。「石橋の南側の道路にも50年前は所々石畳があった」発掘できればまだ復元できるかもしれない。矢貫バス停の近くの家に行って「矢貫の石橋はどこですか?」と尋ねて驚いた。椎茸を干していた佐藤氏は先ほどの軽トラの人だ。「あんたがさっき通った橋だよ」という。慌てて戻って橋を見に行った。思ったよりも小さいのに驚いた。参勤交代中、唯一の一枚石橋で「橋本橋」と呼ばれていた。江戸初期の架設で橋長3.0m、橋幅2.9。加藤清正(天正16年・1588年に初めて肥後の国に入国した際に通った道)もこの橋を渡ったという。
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矢貫の石橋

10時22分、郵便局で道を尋ね、間違いに気づき宮脇バス停まで走って戻る。ここから旧道へ行く。老人ホーム和泉荘入り口で道は狭くなる。古田宅前の石塔が相当古そうで気になる。
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民家・古田宅前の石塔

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道端に小仏
 右前方に専念寺が見える。錬心館空手道場から右手に遠く諏訪神社が見える。11時、左手の民家・工藤和美氏に旧道の確認をすると「この道は旧道ではない」という。旧道の詳しい資料が欲しい旨を伝えると彼の弟で野津原公民館長の工藤貢氏に電話連絡をした後「資料を用意できるらしいからすぐ行こう」という。
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工藤和美氏

 旧道は郵便局、野津原中部小学校のすぐ裏手を通る道だという。公民館に行くと館長と担当女史が「肥後街道を歩こう」講座資料や「大分市のつはるウォーキングマップ」を用意していただいた。「1㎞にもおよぶ赤坂・伊塚石畳の歴史遺産の価値は今市石畳をも凌ぐ素晴らしいもの」というと女史は「外部の方のほうが価値を正しく判断できるのかも・・・」とおっしゃる。私が参考にして歩いていた松尾卓次著「豊後街道を歩く」(2006年10月刊)では「麓の方に尋ねたら、もう通れないとのこと。」と引き返している。昔のままの素晴らしい状態で残り、歩くことができたのに・・・。彼に伝えて再度歩いていただき著書の改訂版を出していただかなくてはならない。地元の方はその価値を過小評価しているようだ。残念でならない。拙句「石畳足音思ふ椿かな」「忘却の石畳あり冬木立」工藤氏に元の場所に送ってもらう。

上原から鶴迫で旧道へ。右手一軒家の手前に南新四国霊場第7番、右手に「瀬戸のほれ地蔵」がある。無残にも正面の真ん中から縦に大きく削った跡がある。石の粉をかけると恋が成就する言い伝えだ。
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「瀬戸のほれ地蔵」

左に旧道入る。
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 アスファルト道の下には石畳がある。国道412号線とときどき旧道を交叉して続く。県道690号線と交差する堪水(たまりみず)手前旧道へ入りすぐ伏見稲荷、
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伏見稲荷

 右手に三畳もの石碑「野津原三渠(さんきょ)碑」がある。惣庄屋工藤三助とその孫弁助は元禄6年(1693年)大分川源水の芹川の上流から水を引き、その受水面積一千町歩の大灌漑事業を成し遂げた。碑は嘉永6年(1853年)の建立。
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石碑「野津原三渠(さんきょ)碑」

 すぐ右段上に小仏。ぽつりと雨が落ちるがすぐに晴れ間が出る。
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旧道
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小仏
協和自動車教習所の手前に古い大岩、彫字跡あり、史跡の可能性はないのか?
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歴史ありそうな大岩に彫跡?

右手は長湯温泉方面。2002年4月に入湯した宿・大丸旅館と河原のカニ湯を思い出す。当時の大丸旅館の主人首藤勝次氏は県議会議員だったが現在は竹田市長になった。13時15分、いよいよ今市宿へ。寛政7年(1795年)建立の安楽寺を過ぎると石畳道が続く。道幅8.5mの中央部に2.1mの石畳が660mにわたって残されている。両側は車が通ることができる。
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今市石畳入口
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石畳道

 寛文4年(1664年)開山の満生寺、隣接して南新四国霊場第45番、左に地蔵菩薩、右に弘法大師像。代官屋敷跡の碑があるが、今は何も残っていない。
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南新四国霊場第45番

 加藤清正によって寄進された元禄13年(1700年)建立の丸山八幡神社で二匹の猫の先導を受ける。足元にじゃれて踏み潰しそうで厄介だ。参拝して帰るまでついてくる。 高さ8mもの大楼門は、享保5年(1720年)の作で松田庄右衛門慰長次の寄進。日光東照宮のひぐらしの門を模したという。酒造り作業図などの飾り彫刻が素晴らしい。拙句「冬晴れや参詣に猫からみつき」
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丸山八幡神社
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楼門
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飾り彫り
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猫にまとわりつかれ往生する

13時50分、これまで食事場所がなかったが、「ひぐらし茶屋」でようやく昼食だ。牛陶板焼き定食(1,200円・牛陶板焼き、豆腐あんかけ、煮物、サラダ)を注文、ここでは「としこおばあちゃんの漬物が食べ放題」で嬉しい。
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 ここでバス停に時間を見に行って驚いた。上原(かんばる)行のバスが15時07分であるだけ。今市宿のさらに南の小無田へ行くともうバスが無いというので今日はここまでと諦めた。上原で15時21分に到着し、15時39分発に乗り換える。コンバルホールの図書館に立ち寄り、今市宿以南の資料探しをする。使えそうなものは、ホルトホールの大分市民図書館蔵でほとんど貸出禁止の資料になっている。旧道を地域に持つ行政が、「歴史探訪」などの講座で作った資料などは図書館に集められていないようで、そうした現場に根差した活動の最新の資料保存にも力を入れてほしい。それこそ「いつやるの!今でしょ!」と言いたい。今日もいろいろな発見と出会いがあった。これだから旧道歩きは辞められない。

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つなみ

御無沙汰致しておりました。
今年もあとわずか、気忙しくなりましたにゃ(=^ェ^=)
よい年末年始をお過ごしくださいませ。
来年も宜しくお願い致しますm(__)mぺこり
by つなみ (2013-12-31 10:58) 

youzi

よいお年をお迎えください(*^_^*)
by youzi (2013-12-31 20:45) 

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