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温泉夜話 温泉まんじゅうや温泉(鉱泉)煎餅の元祖は? [温泉マニア]

温泉まんじゅうや温泉(鉱泉)煎餅が、いつ、どこで、誰によって始められたのか?が気になり、調べてみた。百科事典やお菓子辞典を見たが、どこにも出ていなかった。図書館の人に頼み、「全国温泉大辞典」に、わずかに「温泉みやげ」の項に温泉まんじゅうなどが出ているのを探してくれた。その資料を元に現地に問い合わせをしてみた。

 一番古そうなのが、当初草津温泉の温泉まんじゅうかな?と思ったが、松村まんじゅう氏に聞くと、伊香保温泉の湯の花まんじゅうの方が古いとの証言をいただいた。そこで、伊香保温泉の7~8軒あるまんじゅう屋さんで、一番古い勝月堂の三代目、半田博氏によると初代半田勝三氏が、明治43年頃東京の風月堂にいたことのある職人に作らせたのが、初めてと言う。5年ほどして、田中屋さんが後を追ったという。

 次に、有馬温泉の有馬せんべいを造っている7軒の老舗のうち一番古い㈱三ツ森の三代目に聞かせていただいた。有馬温泉は、含鉄強食塩泉で塩分・鉄分が強く、利用出来ず、他の源泉の炭酸冷泉を使って、小麦粉、片栗粉、砂糖、塩を練って薄く焼き上げることで、お腹に優しい食品として人々の評価を得た。明治40年頃、三津森本舗の創業者三津繁松氏が始めたのが、最初と言われる。

 次に群馬県安中市の磯部温泉の磯部せんべい。


安中市商工観光課の土屋文男氏のご協力をいただいた。磯部温泉史を見せていただくと、「磯部煎餅は、明治の初期、初代の大手万平氏の発明にかかると言われるが、この他にも発明者と伝えられるものもいる。明治43年編纂の磯部町郷土誌には、東上磯部村 萩原偉吉 明治18年12月磯部煎餅を発明し広く之を発売せしが、・・・・その何れにしても、磯部鉱泉の開拓者であり、鉱泉地の最有力者であった大手万平氏の協力、後援に依ったものと思われるのである。」とある。又、安中市誌によると、「磯部煎餅は、昔から天然の鉱泉水を使った自然食品で、・・鉱泉の効能で、消化がよく、腹にたまることがない。」明治44年に、「皇孫殿下へ磯部煎餅献納」文書に記載された製法として、「麦粉百匁に上等なザラメ糖七十五匁鶏卵八匁、之を鉱泉水七合・・」とあり、「小麦粉とザラメは現在とほぼ同じ割合だが、鶏卵をいれている点で異なっている。・・戦前の磯部煎餅は原料として卵をいれることが契約の条件だったようである。」

肝心の誰が最初か?最も古い記録、先日私も神田の古書店で見つけた、山本有所著「磯部鉱泉繁盛記」明治19年7月、晩香堂刊に磯部煎餅については触れられていない。又、宇野直一郎編「磯部鑑」明治24年刊「磯部煎餅及び磯部飴は明治19年中鳳来館主大手氏の発明にして・・」「鉱泉を利用して製造する木の葉形煎餅は明治20年中田村仙岳氏の発明す所にして販路追追拡張し・・」などとあり、特定し得ないのが実情だ。

結局、磯部煎餅が明治初年から明治20年の間、次いで、有馬温泉の有馬せんべいが明治40年、伊香保温泉の湯の花まんじゅうが明治43年の順と考えるのが順当と言えようか。

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