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温泉夜話 蛇が由来の開湯伝説の温泉のはなし [温泉マニア]

温泉夜話 蛇が由来の開湯伝説の温泉のはなし
干支 巳年.jpg
金森 達 画

2013年は巳年で、蛇にちなんだ話題が好まれる新年。蛇による開湯伝説を調べてみた。
静岡県「梅ヶ島温泉」1980年11月、私の温泉巡浴130湯目の温泉。
群馬県「老神(おいがみ)泉」1977年3月、私の温泉巡浴20湯目の温泉。
群馬県「川古温泉」1989年1月、私の温泉巡浴477湯目の温泉地。
宮城県「中山平温泉」1989年7月、私の温泉巡浴495湯目の温泉。
東京都桧原村「蛇の湯温泉たから荘」1982年1月、私の温泉巡浴233湯目の温泉。

梅ヶ島温泉は、約1700年前、応神天皇の御世(270年)きこりによって発見されたという説。そしてもうひとつ、後水尾天皇の第八王子の良純親王が甲州で療養中「駿河の安倍奥に霊湯あり」との夢のお告げ。そこで安倍峠を越してやっと頂上に近い逆川のほとりまで来たときに、三匹の赤い子蛇が出てきて、親王の足元を回ったり道案内をするようなしぐさだった。導かれた場所には温泉が見つかり、入浴すると3日で痛みがとれ、10日ほどで難病が全快した。親王は蛇が仏様の仮の姿と確信し、その慈悲に感謝して所持していた備前長船の刀、紺紙金字の願経と水晶八房の数珠を祠にささげたという。奇しくも相模の国の江ノ島にある弁財天の2体ある1体が梅ヶ島温泉梅薫楼に奉納されている。

老神温泉は、赤城山の神様である大蛇の神と日光を統治しているムカデの神が神域を争っていた。戦場ヶ原での戦いで日光のムカデ神が放った矢に大蛇神が大きな傷を負って、老神付近まで逃げてきた。体に刺さっていた矢を地面へ突き刺したところ、そこから温かい湯が湧き出しあっという間に湯の泉を作った。その湯に大蛇神が浸かるとたちまち傷が治ってしまった。そしてムカデ神を日光へ追い返した。このとき神を追い払ったというので「追神」温泉と命名され後に転じて「老神」温泉となった。

川古温泉は、三国峠の東南麓の赤谷川沿いにある一軒宿「浜屋旅館」。蛇が沢山集まっていたところを掘ってみると温泉が湧いてきたという。皮膚病・糖尿病・リウマチなどの特効ある国民保養温泉指定地。

中山平温泉は、鳴子温泉郷のひとつでこの一帯を「蛇の湯」と言っている。昔、花淵山に花潜という主で絶世の美女がいたと言う。夜な夜な姫を訪ねる山主(犬柴山・矢盾山・鍋倉山・黒森山・耳突山)たち、つまり蜘蛛・蟹・亀・大蛇・大百足の主たちから求愛の争いが続いた。最後に小野原で大蛇と大百足の大決闘が七日七晩続き、黒森山の大蛇がおお百足に痛めつけられ、血だらけになって東沢の流れを逃げ切り、犬谷の主流に出て失神した。この流れに身を浸して十日あまり。気がつくとあれほどの傷がきれいに治っていた。大蛇は神の恵みに感謝し、薬師如来に化身して里から郷へと行脚を続け温泉の効能を伝えたと言う。蛇の毒と火傷に効き目があると有名になったので、やがて里人はここの地域を「蛇の湯」と語り伝えた。

蛇の湯温泉たから荘は、傷ついた大蛇が川原に湧く湯で傷を治したという開湯伝説がある。数馬の郷独特の兜造りといわれる合掌造り建物で有名。



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コメント 2

ゆうくん

訪問及びナイスありがとうございます。
温泉も大好きなので、とても楽しく拝見させてもらいました。
また、遊びに来ます。

by ゆうくん (2013-01-18 19:25) 

yakko

お早うございます。
蛇による開湯伝説の温泉もたくさんあるんですね〜f(^ー^;
by yakko (2013-01-19 09:19) 

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