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文学を訪ねる温泉紀行11. 熊本県阿蘇・垂玉温泉 山口旅館 [文学を訪ねる温泉紀行]

文学を訪ねる温泉紀行  熊本県阿蘇・垂玉温泉 山口旅館
垂玉温泉 与謝野鉄幹.jpg
金森 達 画

二百数十年前、この地にあった「金龍山垂玉(すいぎょく)寺」の修行僧たちによって発見され、一時洪水で埋没したが、江戸末期からは名湯を誇る湯治場として有名だった。一軒宿の「山口旅館」は、明治時代に多くの文人墨客が訪れた。与謝野鉄幹、北原白秋、木下杢太郎、吉井勇、平野万里の五人の新詩社の歌人たちは、垂玉温泉「山口旅館」や栃木温泉「小山旅館」などに宿泊しながら九州旅行記「五足の靴」を交互に書き上げた。「山口旅館」の前に「五足の靴碑」がある。「五足の靴」は、その後これらの詩人歌人の開眼に大きな役割を果たし、後に白秋の「邪宗門」「天草雑歌」、杢太郎の「天草組」「戯曲 南蛮寺門前」は、この旅に着想をえて誕生した作品といわれている。野口雨情もこの宿で「阿蘇垂玉 夜峰の南風は そよそよ夏知らず」と詠んでいる。
 「五足の靴」は、1907年(明治40)7月28日から8月27日まで、九州西部を中心に1ヶ月旅をして五人が執筆した紀行文である。東京二六新聞に29回にわたり連載された。垂玉温泉には8月13日に泊まり、翌日阿蘇登山をし、中岳火口を覗き、噴火活動のすざましさに感動している。

追記:山口旅館は、私が泊まった温泉巡浴888ヶ所目の宿で、岩山金龍山から落下する三条の滝を愛でながら入浴でき、滝つぼから湧き出る混浴露天風呂が印象深かった。女性用に湯浴み着が用意され、混浴でも連れと一緒に入浴しやすい心遣いがされていた。頭上には藤棚があり、時期には幻想的な風情が楽しめる。車で5分ほどのところにある地獄温泉も江戸時代からの湯治宿で、混浴風呂「すずめの湯」が有名である。こちらの泉質は、同じ硫黄泉だが乳白色である。


文学を訪ねる温泉紀行 http://www.a-spa.co.jp/bungaku/bungaku0801.html

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hide-m

xml_xslさん ご訪問とnice!をありがとうございます。

by hide-m (2008-07-04 19:26) 

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