効能豊かなグリーンの湯 秘湯・国見温泉 石塚旅館

駒ケ岳登山基地、　効能豊かなグリーンの湯　秘湯・国見温泉　石塚旅館

混浴露天風呂

2008年6月27日、岩手県盛岡から、いわて銀河鉄道で金田一温泉取材の後、国見温泉に泊った。盛岡駅から田沢湖線赤渕駅で降りる。事前に予約をすると14時51分に宿の車が迎えに来てくれる。従来あった路線バスが廃止になり、タクシーでも30分はかかってしまう。

ブナ林と熊笹を抜けて秋田駒ケ岳（標高1637ｍ）登山口五合目、標高860ｍにある国見温泉に到着。旅館は石塚旅館と森山荘の二軒のみの営業だ。山々が展望できる位置にある石塚旅館の前を大勢の登山客が通り過ぎる。1804年の開業で二階建ての細長い建物は、旧館と本館、裏手に自炊館がある。石塚旅館は、江戸時代からの歴史を持つ宿で、盛岡藩の湯治湯として使われていたが、維新後に譲り受けたという。受付でチエックインを済ませ、左手の新館和室の37番の部屋へ案内していただく。本間8畳・床の間・トイレ付、広縁にテーブル椅子・洗面所が付く。秘湯にしては、十分な設備だ。洗面所の水は、駒ケ岳麓の湧き水。

石塚旅館全景

石塚旅館の玄関口

和室トイレ・洗面所付き

まずは露天風呂へ直行。旅館の裏手にある岩風呂で、混浴になっている。周りは大岩で囲まれているが、山々の展望は望める。鮮やかなグリーン色の温泉には驚く。源泉54.5度の含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉で、コップも置いてあり飲泉できる。口に含むととても苦く、量は飲めない。体をじっと見ているとおなかや胸に小さなあぶくが沢山付く。慢性皮膚病や糖尿病、痛風、リウマチ、婦人病、金属中毒に効能があるという。湯船の底に泥状の湯の花が足元に感じる。これは水虫にも効きそうだ。飲用には痛風、尿酸結石、慢性腎金属中毒、慢性気管支カタル、慢性胃カタル、胃酸過多、慢性膀胱カタルなど。足が痛くて歩けなかった女性が10日間湯治して、歩けるようになって帰ったという話を入浴者から聞いた。


浴室は他に大浴場「薬師の湯」、男女別小浴場、女性専用露天風呂がある。「薬師の湯」は5年前に改築して真新しい。木造をふんだんに使った湯船で、硫化水素、硫酸が強いためか湯船の底から立つコンクリの柱の上に木の柱を足して伸びている。木はすぐに酸化して痛みが早いからだろう。直径5ｍの四分の一の湯船。


薬師の湯

小浴場

1泊で3ヶ所の湯船に6回入浴したが、印象的なのは、22時に露天風呂に入ったことだ。入り口でスリッパが2足あり、ご夫婦が入っているのでは？と躊躇していると、丁度帰ってきて「星がすばらしいですよ」と言ってくれた。確かに標高860ｍの露天風呂からの眺めは、「星が降る」ような感覚だ。露天風呂は自家発電の明かりがあるが、それがなければもっとすばらしかったか。つい一句を詠んでみた。「降る星や　生の不思議よ　国見の湯」

夕食膳は18時から1階の食堂でいただいた。煮物は筍・鶏肉、岩魚の塩焼き、鮪・イカ・甘海老のお造り、ほや・きゅうりの酢の物、小蕗の煮付け、豚肉・えのき茸・トマトの陶板焼き、笹餅、豆腐とわかめの味噌汁にご飯。空気が美味しいことも倍して皆わきあいあいの様子。

夕食膳

朝食膳

自炊棟の部屋と自炊室を召せていただいた。

自炊室

自炊用客室

部屋は4.5畳トイレ無しの簡素なもの。自炊室はガス器、鍋、調理器、茶碗、冷蔵庫などがそろっている。布団付きで１泊で2,805円（税込）、本館で湯治食付3泊以上の宿泊が条件で、1泊1食4品6,450円（税込）でも受けている。一般室は1泊2食付トイレなしで、9,075～12,750円（税込）、トイレ付で10,650円（税込）

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〒020-0582岩手県岩手郡雫石町橋場国見温泉
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コメント 1

kohtyanさん　いつのご訪問をありがとうございます。
by hide-m (2008-07-06 08:49)