SSブログ

添乗奇談快談29. 昔のお年よりは芸達者。老人会旅行バス車内は、芸能大会! [添乗奇談快談]

添乗奇談快談29. 昔のお年よりは芸達者。老人会旅行バス車内は、芸能大会!
昔のお年よりは芸達者.jpg
金森 達 画

昔のお年よりは、芸達者だった。老人会のバス旅行でバス車内は、芸能大会だった。ガイドさんの説明もそこそこに芸能大会が始まる。出身地の民謡や詩吟、歌謡曲、浪曲など。時には俳句を吟じたり・・・・。次から次から芸人の唄や話芸が続く。

20~30年前の観光バスには、今のようにテレビやカラオケの設備がなく、ビデオやDVDビンゴソフトもなかった。ガイドさんの説明が途切れたり、説明をやめてもらって唄が始まった。ほとんどのお客はあんちょこを持たずに、そらで唄っていた。昼食後の昼寝の時間帯には「ガイドさん、このテープをかけてくれ」と浪曲のテープを手渡していた。広沢寅蔵の清水の次郎長の件(くだり)である。若かった私もうつらうつらに聞きながら、「浪曲もいいもんだな」と実感したひと時であった。

一般の地域の旅行で、芸者を上げる宴会では、立ち方といわれる年配芸者さんの三味線に合わせて芸者が踊り、唄う。しばらくして、「さあ、今度はお客さんの番ですよ。お待たせしました」というと「俺が都々逸をやるよ」とお客次々に舞台に上がり、座布団の上に座り、三味線の引きを待つ。こんな場面が珍しくなかった。「なかなか粋なお客さんだな」と添乗員の私はいつもそう思っていた。だから、いつの日か新橋芸者と遊べるような懐具合と芸のたしなみを身につけたいと思っていた。

今では画面のせりふを見ながらカラオケを興じ、歌詞を覚えていなくともカラオケは成立する。私も仕事柄「お前も何か歌え!」といわれ、石原裕次郎の唄を歌うことがあるが、何十年同じ唄を唄っていても歌詞を覚えていない。便利な機械や装置が普及することで努力をしなくとも何とかなる時代だが、その分能力・記憶力の退化は著しい。昔はよくかける親しい人の電話番号の30件くらいはそらで覚えていた。機械やパソコンに頼る生活が今度どれほど人間の能力の退化を進めていくのか考えると恐ろしいほどだ。


旅と温泉の相談室アスパサービスhttp://www.a-spa.co.jp/

エッセイ「温泉夜話」 http://www.a-spa.co.jp/yawa/index.htm

温泉巡浴紀行http://www.a-spa.co.jp/junyoku/index.html

温泉水サーチhttp://www.a-spa.co.jp/onsen-shop/search.html

旧街道をあるく旅http://www.a-spa.co.jp/tabi/nikko/



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0