SSブログ

山形県羽根沢温泉 「美人の湯」湯治健在の宿 加登屋旅館 [療養・湯治の宿]

療養・湯治の温泉宿 
山形県羽根沢温泉 「美人の湯」湯治健在の宿 加登屋旅館

奥の細道を歩く第30回目の大石田から新庄へ歩いたときに宿泊した宿で、2年前に入浴に訪れたことがある。当日朝から吹雪や大雪に見舞われ、北国育ち(北海道)の割りに寒さを忘れて、頓珍漢ないで立ちで大石田に降り立ってしまった。通気性のよい運動靴に傘忘れはひどい。雪道を1時間45分歩き、ついにダウン。芦沢駅から移動して、昼ころに羽根沢温泉加登屋旅館に到着した。

チエックイン後、二階の「月の間」に案内される。


和室10畳に障子戸で仕切られた6畳の広縁に小さなテーブル椅子がある。床の間・テレビ・洗面所はあるが、バス・トイレはなく廊下を出て30m先の共用トイレへ行くことになる。寒いので苦情対策か館内やトイレは広い空間なのに灯油暖房器具が置かれている。並びの別館らしきところを覗くと、テレビがあるだけの6畳ほどの湯治用和室がある。

窓外には、羽根沢地区多目的集会所が見える。1階に共同浴場があり、村人が時々車で入浴に訪れる。大人200円、小人100円だ。

一階の大浴場に行ってみる。円形のコンクリ作りの棟を半分に仕切って、男女別の大浴場に仕立てたようだ。

更衣室から最初の戸を開けると、さらに内側にある自動ドアが開き驚く。右半分が男性用の浴室で、右手の窓側に面して幅1.2m長さ7mほどの変形浴槽がある。タイル張りの浴槽は結構広い。

ホテルパンフレット写真提供

15人ほどがいっぺんの入浴も可能だ。が、いつも空いていて私としては大浴場を独占しているようで気分がいい。夕方2回目の入浴時に、日帰りの男性客が入ってきた。早速話しかける。「ここは飲める温泉で、息子が二日酔いの時に飲むとてきめんだといっているよ。胃潰瘍にもいいし、俺はここと肘折温泉にいつも行くことにしている」新庄駅まで迎えに来てくれた四代目の若旦那は、「昔から胃腸病ややけどに効くといわれます。2月から庄内地方のお客など療養のお客が多い時期です。長い人は1週間から10日ほど逗留します。新幹線が開通して以来、東京の人が増えましたが、大抵1~2泊で短いですね。」

泉質はナトリウム・炭酸水素塩-塩化物泉で泉温は47.2度。加水はなし、温度が低いので加温、源泉け流しで循環、塩素殺菌をしているというが塩素臭は感じなかった。弱い油臭、薄い黄緑色の湯で、あふれる湯が排水溝に殺到する勢いに、脇にある桶がくるくる回転している。いかにもかけ流しだなと安心する。湯は肌につるつる感がとても強く「美人の湯」の評判も理解できる。羽根沢温泉は、新庄北西の山間奥に入ったところ。大正8年に石油ボーリングで温泉が湧出したという歴史を持つ。加登屋旅館は2年後の大正10年に開業した。敷地内に天然ガスの湧出タンクがある。

そこで天然ガスと温泉を分離して、天然ガスを他の宿や十数件の一般家庭に配っていたが、今年行政からの圧力で危険物管理者を置かなければ認可できないと使用が禁止された。部屋の一角にある天然ガス配管から繋がれたガスレンジは撤去された。従来、「羽根沢温泉のシンボル」といわれた天然ガスは終焉を迎えるのか再生策があるのか注目したい。

夕食膳はお部屋に運んでくれた。奥の細道歩きで贅沢はできないと「最低の料金でお願いしたい」と若旦那に頼んでいたが、迎えの車中で「馬刺しは食べられますか?」と聞かれたので「馬刺しが食べられるぞ!」と内心舌なめずりをしたところだ。メニューは、鴨鍋、たっぷりのにんにくを用意した馬刺し、ふかしゆり根、大根おろしに筋子・なめこ、味噌和えの鮭塩焼き、大型ハタハタの塩焼き、キムチにご飯、味噌汁。

ゆり根は鮭川村芦沢地区の名産だそうで、リンドウ、バラ、トルコギキョウなどとともに花の栽培が盛んだ。地の凝縮した味がじーんとくる。
朝食は7時15分に部屋でいただいた。

鮭の塩焼き、目玉焼き、焼き海苔、アスパラガスサラダ、舞茸や厚揚げなの煮物、漬物、豆腐入り味噌汁にご飯。

過疎の弊害はここにも押し寄せる。週4便あった路線バスは、2便に減る。一時は湯治客でにぎわったこの羽根沢温泉も閑散としてきた。若旦那らは、地元活性化のためにさまざまな取り組みを試みた。4年前、県試験場の協力要請に応えて、羽根沢温泉に流れる支流に生息する「モクズ蟹養殖」に温泉の廃湯を利用して2年がかりで挑戦したが想定よりも成長が遅く頓挫。またサーモンロードの会を立ち上げて鮭(よう)の新切(じんぎり)の売り出しなどに奔走した。鮭の新切とは、清流鮭川に遡上した雄鮭を五日ほど塩漬けにした後二ヶ月ほど寒風に干した「鮭の干物」で、レシピを付けて製造販売を試みているが、いまひとつ成果が見えないという。若旦那衆はなかなか頑張っているようだ。

自炊は3,500円(税込)
1泊2食付 湯治客室 6650円(税・入湯料込)~
1泊2食付 一般客室 8,650円(税・入湯料込)~10,650円(税・入湯料込)
※ 鉄筋3階建て、和室29室(バスなし・トイレ共用)
付帯施設:屋内ゲートボール場1面(ステック持参)
近隣スポット:最上三十三観音「庭月観音」、トトロに似ている「小杉の大杉」、まぼろしの滝「予蔵の森」、藤九郎沢の千年桂 かご山の大桂五兄弟」、庭月観音灯籠流し(8月18日)、鮭川歌舞伎(7月第一日曜)、鮭川村エコパーク(栗の木オートキャンプ場、木の子の森センター、キツツキコテージ

山形県羽根沢温泉 美人の湯 加登屋旅館
〒999-5205 山形県最上郡鮭川村大字中渡1312
一般客室のご予約は、アスパサービスセンター
電話番号 0428-24-2790 又はメールでのお申込みは
http://www.a-spa.co.jp/order/order-yado

長期湯治のお問い合わせ、お申込みは
電話番号0233-55-2525 ファックス0233-55-2526

冷え性対策に最適!「遠赤外線パワー 田口式健康サポーター」http://www.a-spa.co.jp/taguti/ class="auto"> 旅と温泉の相談室アスパサービスhttp://www.a-spa.co.jp/
秘湯・異色の温泉宿http://www.a-spa.co.jp/hitou/
エッセイ「温泉夜話」 http://www.a-spa.co.jp/yawa/index.htm
温泉巡浴紀行http://www.a-spa.co.jp/junyoku/index.html
温泉マニアショップ http://www.a-spa.co.jp/maniya/index.html
温泉水サーチhttp://www.a-spa.co.jp/onsen-shop/search.html
旧街道をあるく旅http://www.a-spa.co.jp/tabi/nikko/
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0