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奥の細道を歩く 第41回米山~上越・鵜の浜温泉~名立 2009年2月12~14日 [奥の細道を歩く]

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鵜の浜温泉 ロイヤルホテル小林 玄関入り口には、人魚姫がお出迎え

 今回は、JR東日本「大人の休日倶楽部」新幹線を含む乗り放題12,000円切符を利用して、2泊3日の奥の細道歩きになった。関越トンネルを抜けると、白銀の世界に一変。で一句「闇抜けて 水墨画かと 冬深し」
前回、米山の食料品店「府中屋」さんで昼食をいただいたお礼に、私の住む青梅の銘菓「青梅煎餅をお届けした。
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米山の食料品店「府中屋」

10時25分、米山駅入り口を出発。
 天候は雨が早くにあがり、快晴だ。しばらく国道8号線へ。10時45分、上越に入るところで大泉寺観音堂入り口を通過。
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11時10分、Y字右129号線へ入る。おばあさん達の会話で「夕べの雷、でっかくて・・・」そういえば、米山あたりの路面が濡れていたっけ。柿崎にはいり、左手に教会かと見間違う浄福寺、枕石があるとかで行ってみたが、判らなかった。柿崎駅角の寿司屋「菊屋寿司」で刺身定食840円をいただく。ミル貝・大トロと赤みトロ・金目鯛、サラダ、ゼンマイ、味噌汁、ご飯にりんご。大とろが美味。
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柿崎駅角の寿司屋「菊屋寿司」
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刺身定食に大トロがでる。

 このあたり、芭蕉が歩いた頃、満潮時に海面より低くなる土地に塩田を作り、桶で海水を汲む「入り浜法による塩田」が盛んだった。砂浜はとても柔らかく、芭蕉の時代には棒を差すとそのまま沈んでしまい、駕籠かきは40センチもある板に鼻緒をすげたものを履いて、ぺたぺた歩いたという今では信じられない話だ。

1時間で上下浜、右手に「上下浜温泉 ハマナスセンター」に立ち寄り入浴をする。
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上下浜温泉 ハマナスセンター

隣接して「マリンホテル ハマナス」がある。初夏にはハマナスが咲き乱れる。源泉が40.3度のナトリウム-塩化物泉。ナトリウム5,006mg、塩素7,164、炭酸水素436.9、メタホウ酸169.5mgの塩辛い温泉だ。露天風呂は源泉掛け流しか?13時57分、今日の宿泊場所である鵜の浜温泉「ロイヤルホテル小林」に着く。ここに重い荷を置いて、上越(直江津)まで行くことにする。1kmで大潟町の火防地蔵尊に出会う。
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火防地蔵尊

寛延・寛暦の頃との説明書きが読める。土底浜、渋柿浜、夷(えびす)浜、上荒浜と続き、黒井駅入り口で、直江津駅までたどり着けるか心配で列車時間を調べ、便がよければ黒井までにしようか?と弱気になる。結局時間がわからず、直江津まで頑張ることにする。佐渡汽船ターミナル前を通過し、16時24分に直江津橋で関川を渡る。芭蕉が訪れた聴信寺に立ち寄る。
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芭蕉が訪れた聴信寺

参拝を済ませると、ご住職夫人が本堂の戸を閉めに見えて、長話になった。人との出会いの話から、20年前インドに二週間行かれたことなどのお話しを楽しくうかがった。芭蕉関係の資料は勿論、檀家の過去帳も何度かの火災で消失してしまったという。その後、芭蕉句碑「文月や 六日も常の 夜には似ず」がある琴平神社に立ち寄る。
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琴平神社
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芭蕉句碑

駅に着いたのは17時20分。鵜の浜温泉行きのバスに乗り遅れ、JRで潟町駅へ移動。迎えの車でホテルに着いたのが18時20分。お迎えの看板に、「芭蕉を訪ね奥の細道を歩く会」という東京の団体客があった。観光バスで移動し、芭蕉が訪ねた名所を歴史の先生に聞きながら巡るツアーだとその客が入浴時に聞いた。
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鵜の浜温泉 ロイヤルホテル小林
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玄関入り口には、人魚姫のお出迎え
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ロイヤルホテル小林のロビー
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ロビーには雛飾りが・・・

鵜の浜温泉には9軒のホテル・旅館があり、温泉は共同管理で各ホテルに配湯されている。源泉は27.4度のナトリウム-塩化物泉でナトリウム5482mg、カルシウム144.7、鉄Ⅱ13、塩素9,207、炭酸水素479.3、メタホウ酸136.4mgで上下浜温泉と泉質がほとんど似ている。黄褐色の湯で無臭。大浴場は逆L字の浴槽。右手前の浴槽の竹筒から出る湧出水が源泉で冷たいがいかにも濃度が濃く、神経痛や腰痛、切り傷などに効きそうだ。湯口からの温泉を口に含むととても塩辛い。
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大浴場内風呂
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露天風呂(風呂の写真は、ホテル提供)

3階の和室は12畳バストイレ付、踏み込みには小さい椅子・テーブルが完備。トイレと洗面所・バスは別つくりで広い。床の間には季節感を感じさせる雛飾りが・・・。織物の水仙絵の額縁も美しい。
夕食膳はお部屋でいただいた。数々の珍味を揃えた前菜、鰈の陶板焼き、お造りはほっき貝・甘海老・サーモン・金目鯛、鍋は寒ブリのしゃぶしゃぶ、合鴨の春盛り、ズワイ蟹、河豚の唐揚(温かくて美味)、止め椀は鵜の浜温泉名物の蟹汁、デザートはやはり名物の「いちじくのアイスクリーム」と完熟パイン。朝食は1階のレストランで。宿泊料金は14,000円(税別)で設備、料理、サービスを考えるとレベルは高い。
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3階フロアの和室12畳
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夕食はお部屋で

早朝散歩がてらに300m先の浜にある「人魚伝説の碑」を見に出かけた。その時の一句「砂防松(黒松) 苗を見守る 野水仙」次世代の黒松の苗を育てている地元の方の努力が偲ばれる。
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砂防黒松と次代の苗
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浜にある「人魚伝説の碑」

JR潟町から直江津駅に移動し、歩き始めたのは8時30分。義経と弁慶が泊ったという観音寺
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義経と弁慶が泊ったという観音寺

をえて、加賀街道の十念寺
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加賀街道ぞいにある十念寺

から五智国分寺へ。安政3年(1856年)に着工した未完の三重の塔、
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五智国分寺 未完の三重塔
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五智国分寺 未完の三重塔 芸術的な彫り物

鎌倉時代の本堂は昭和63年に消失、10年かけ総檜造りで再建した。経蔵は元禄6年(1693年)の棟札がある市内最古の建築物。
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五智国分寺本堂

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市内最古の建築物 経蔵
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経蔵 いかにも年代(316年前)を感じさせる

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五智国分寺境内にある芭蕉句碑

芭蕉は1689年に訪ねているので、まだ今のままの形ではなかったらしい。親鸞聖人ゆかりの旧跡でもある。芭蕉句碑には「薬欄に いずれの花を くさ枕」高田の医師細川春庵を訪れたときの句だ。山門を下ったすぐ右手にいくと、越後一ノ宮の居多(こた)神社。
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越後一ノ宮の居多(こた)神社

同宿した奥の細道を巡る団体客と出合った。光源寺に立ち寄った後、加賀街道をひたすら高田へ向けて歩く。11時13分、「飯」で県道13号線を左折、北本町1丁目の土橋を渡り、突き当たりを左折したところに加賀街道と北国街道の交差点「道標」がある。
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加賀街道と北国街道の交差点「道標」

さらに進んだ信号を右折すると童画の父小川未明の生誕地がある。
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童画の父小川未明の生誕地

本町通りから駅前を左折し、高田城跡公園へ向かう。外堀は枯れ蓮が残り、夏の桃色のハス群落を思わせる。北城神明宮にある芭蕉句碑を訪ねて高田駅へ戻る。駅前の高田橋脇は芭蕉が宿泊したところだ。
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高田城跡外堀の枯れ蓮

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北城神明宮にある芭蕉句碑

高田から五知国分寺までは同じ道をたどるので、第4回目の「マツノの特別ルール」で「往復同ルートで片道は歩かなくともよい」を適用し、バスで移動する。このルールは、芭蕉は各地の俳人の計らいで、馬や籠で移動しているので、その分この程度の距離は歩く以外の交通機関を使ってもよいのでは・・・との考えからである。
さて、14時15分にイトーヨーカ堂前でバス下車し、468号線を歩くが、中華飯店「楼蘭」で遅い昼食を食べる。午前中に通った加賀街道の十念寺入り口まで戻り、郷津、岩殿山、谷浜駅、有間川を通過する。海は穏やかで、冬とは思えぬほどとても暖かい。自然遊歩道が整備されて、自転車と歩行者専用の道路なので安心して歩ける。宿泊予定地の道の駅「うみてらす名立」まで500mというところで酒屋の看板。朝食付き洋室で7,800円なので、お酒「雪月花」を購入。17時20分で気温が14度。店のお母さんが「こんなに暖かいのは、初めて・・・。どうなるのかね~去年の今頃、三度は雪が降っていたよ」という。これまでもお年寄りの会話で同じことを聞かされた。そこで一句「雪のうて 心配じゃのう 翁語り」
道の駅の手前は、漁港卸売りセンターで、鮮魚をトラックに積み込んでいる姿も見られた。宿に着く直前に雨が降ってきた。「うみてらす名立」は日帰り入浴施設で隣接して第三セクター経営のホテル光鱗が建つ。
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ホテル光鱗
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1階の洋室

1階の洋室101号室が本日の部屋。入室して驚いた。右手に洋服ダンス、左手はバストイレ。ツインベットとソファがあり、段上に応接セットとキッチン、冷蔵庫がある。これは広い間取りだ。
入浴は2階の連絡通路で移動して、大浴場に行く。露天風呂から風力発電の翼が目の前に見えて、怖い感じがする。最近、強風でプロペラが折れたというニュースを聞いていたからだ。脱衣所に温泉分析表がなく、温泉ではないと知ってショック!地図には温泉マークがついていたり、館内のガイドの一部にも「温泉」と印字されているのに・・・。その後ホテルのレストランで、天丼定食とビールをいただいた。鮮度のよい食材で美味しい。団体客は宴会場なのか、個人客は2組だけ。外は相当雨が強く降っている。
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レストランで夕食を
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釜炊きご飯で朝食

翌日7時30分に2階のレストランで食べた。雨模様で今日の奥の細道歩きは中止し、温泉めぐりに切り替えた。JR名立駅に送ってもらう途中、運転手さんが「翼は一辺が25mとかで、よく故障するんだよね。避雷針がついていないので雷が落ちて、炎に包まれた。三菱重工がより強度を強くするというので8,000万円の修理費を要求されたらしい」と話していた。直江津から長岡まで移動し、長岡郊外の「桂温泉」「麻生温泉」の温泉めぐりをすることになる。詳細は別途、温泉巡浴記を書くつもりなのでここでは省く。


冷え性対策に「遠赤外線 田口式健康サポーター」http://www.a-spa.co.jp/taguti/
旅と温泉の相談室アスパサービスhttp://www.a-spa.co.jp/
ペットと泊まる温泉宿 http://www.a-spa.co.jp/pet/ エッセイ「温泉夜話」 http://www.a-spa.co.jp/yawa/index.htm
温泉巡浴紀行http://www.a-spa.co.jp/junyoku/index.html
温泉水サーチhttp://www.a-spa.co.jp/onsen-shop/search.html
旧街道をあるく旅http://www.a-spa.co.jp/tabi/nikko/

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コメント 3

ryon

おいしそうなお料理たちと、歴史の風物
良い旅したいなぁ~なんて思ってしまいました。。。
by ryon (2009-02-21 23:57) 

hide-m

xml_xslさん うっしーさん ryonさん くらいふさん kohtyanさん ご訪問とnice!をありがとうございます。

ryon さん 歩く旅は、思わぬ出会いと感動にこころ揺さぶられます・・・。ぜひ、歩く旅をお試しください。


by hide-m (2009-02-24 19:04) 

hide-m

tasuchanさん moonrabbit いっぷくさん ご訪問とnice!をありがとうございます。



by hide-m (2009-05-29 12:41) 

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