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 東鳴子温泉 「快浴洗心の宿」 旅館大沼 自家源泉掛け流し・塩素臭なし [療養・湯治の宿]

療養・湯治の宿 東鳴子温泉 「快浴洗心の宿」 旅館大沼

 奥の細道を歩いた第27回の07年9月26日に宿泊した宿である。


山荘「貸切庭園露天風呂」天然源泉掛け流し

 東鳴子温泉の旅館大沼は、温泉街の奥のほうで、かつて宿泊したことのある勘七湯の先になる。東鳴子温泉には1989年7月に田中温泉に初めて入浴し、私の温泉巡浴491湯目の温泉地だった。東鳴子温泉は650年の歴史を持つ、伊達藩時代は御用湯「御殿湯」として使われた。10軒の宿に39本源泉があり、昔ながらの自炊スタイルを今も守っている個性的な「重曹泉の郷」である。

 フロントの受付で、「山荘の露天風呂へご案内しますので17時50分に玄関でお待ちください」といわれる。2階の部屋「杉の間」に案内される。

和室7.5畳のトイレなし、板張り広縁、冷蔵庫、洗面所、鏡台、金庫、エアコン付きのお部屋。トイレは同じフロアの左突き当たりにある。天井は板張りの屋根型空間で圧迫感がない。

トイレ付一般客室や


宿提供写真

湯治室も

見せていただいた。荷を解き、まず階段で一番疲れそうな4階のお風呂、備長炭風呂「陽の湯」

と薬石風呂「陰の湯」に

行く。4階から温泉街の眺望が望める。

62度の赤湯・純重曹泉で切り傷や火傷、疲労回復、皮膚病、肌のトラブルに特に効能があるとされる。それぞれ鍵がかかり、「陽」「陰」は当初、男性用、女性用の区別と思っていたが、違っていた。「陽の湯」は、浴槽が木作りで2m×1mの長方形。ウバメガシの備長炭を入れてあり、そのせいか板が黒ずんで見える。昔から土地の木を高めたり、清めたりするために使われてきたという。「陰」は薬石をひとつずつ浴槽に埋め込み、石の形状によるツボ効果と石から出る薬効成分、遠赤外線が相乗効果でじっくりと効いてくるという。

 17時50分に玄関前から車で送っていただき、山荘の露天風呂「母里(もり)の湯」へ行った。


宿提供写真(冬)

 薄暗いので山荘「別荘」の様子がいまいちよくわからない。泉室は含食塩・芒硝重曹泉の循環なし、塩素殺菌なしの純天然の源泉掛け流しだ。山の傾斜に造られた貸切庭園露天風呂は木造の浴槽で2m×4mはある。周りはぼんやりと行灯風のあかりで、明るい内に入浴したいと思う。自然に囲まれた野趣あふれる雰囲気で宿一番の人気のお風呂だ。30分ほどのんびりして、お風呂場にある電話機でフロントに連絡をし、迎えに来ていただく。実は翌日、電車で岩出山まで行き、芭蕉の銅像を訪ね、東鳴子温泉まで歩き、再度日中山荘の露天風呂に入れていただいた。やはり、明るい庭園露天風呂のほうが、開放的で自然のかすかな風を体に感じて癒しの濃度は最高であった。山荘「母里(もり)乃館」には露天風呂の他に、セミナーやイベント用のお部屋や茶室「緑清庵」があり、貸切で利用できる。ちょうどこの日は湯治中の若い女性が一人で山荘の一角の籐椅子でくつろいでいる姿を見つけた。

 夕食膳はお部屋でいただいた。

前菜は鯖と海老に南瓜ムースに梅果肉、海老・レンコン・豆・南瓜のはさみ揚げ、大茄子・とうがらし・南瓜・海老の煮物、お造りは秋刀魚・鰹・赤貝・鮪、鮎の塩焼き、酢の物、牛肉・舞茸・南瓜の陶板焼、茶碗むしは底にゴマ豆腐が敷いてある。味もボリュームも満足だ。

夕食後、1階フロンと脇にある「アロマテラピー(芳香浴)ふかし風呂」に行く。

 今話題のアロマテラピーと温泉熱を利用したふかし風呂で、3畳ほどの広さ。3人用の枕が用意されて、床には竹ござが敷かれている。

 薬草や香料をかぎながら横になり、5分ほどで汗ばんでくる。続いて、昔ながらの混浴大浴場「薬師千人風呂〔天女大壁画〕」に移動する。

 74.6度の泉質は含食塩・芒硝重曹泉。石造りで2.5m×5mの広さの浴槽で壁には、若手女流画家の高橋典子さんが描いた20人の天女の舞が楽しめる。男女別の更衣室があり、浴槽がおなじで、入浴中女性側の更衣室から、入浴者を確かめるドアの開く音が時々聞こえる。混浴をためらう様子だ。女性専用の浴室に「天女風呂(壁画)」がある。
もう一ヶ所、内庭露天風呂「石割の湯」にも入浴してみた。薬師千人風呂と同じ泉質で、3m×1.5mの変形岩風呂だ。外側にはすだれがたれている。大正時代以来の昔ながらのお風呂だという。旅館大沼の温泉は、すべて源泉掛け流しなのがすばらしい。最近、湯量が豊富で高温の温泉でも、循環・塩素殺菌で塩素臭が強く感じられ、とても温泉場とはいえない温泉宿が増えていてがっかりさせられている。

 2階のフロアに自炊室があり、見せていただいた。

 自炊室は4.5畳ほどの部屋に、ガスコンロ3台、鍋、トースター、レンジ、冷蔵庫がある。はし・スプーン・しゃもじ・大根おろし器・包丁なども用意してある。
じつは、旅館大沼の五代目湯守大沼伸治氏は、隣接する歓楽温泉街「鳴子温泉」に埋没しかねない東鳴子温泉活性化・地域づくりに熱心に取り組んでいる仕掛け人の一人である。「東鳴子ゆめ会議」を中心に、現代の湯治場つくり、自分たちが楽しんで誇りが持てる街づくり、御殿湯の復活を目標にしている。春から秋にかけての種まきから収穫を体験する「田んぼ湯治」、アートと音楽の数ヶ月に及ぶイベント「GOTEN GOTENアート湯治祭」、「重曹泉の郷」宣言、10月3日の重曹の日制定、各旅館で使う石鹸を無添加石鹸に切り替え、人も自然も楽になる温泉地を目指すなどマスコミにも取り上げられている。
大沼氏は、これまでを振り返り、「温泉の本質に戻るべき」と、心と身体と健康を軸に温泉という本質によって、お客様を癒す湯治場としての機能を重視して「東鳴子はお湯がいい。お湯のパワーをストレートにお伝えすることだと思っています。」という。本当にそうした温泉場が増えて欲しいと私も思う。

「快浴洗心の宿」旅館大沼では、1泊2食付の他に1泊朝食付き、素泊まり(2泊まで)食事付湯治(日・平日のみ)、半自炊湯治(3泊以上・ごはん・味噌汁付)、自炊湯治(3泊以上)、日帰り休憩1室4時間、入浴のみなどあらゆるスタイルの湯治を提供している。
宿泊料金は1泊2食付9,390円から、1泊朝食付き7,500円から、1泊夕食付8,340円から、素泊まり6,450円から、食事付湯治8,025円から、自炊湯治4,270円から、半自炊湯治4,900円から、日帰り休憩1室4時間5,250円、入浴のみ500円(すべて、税・入湯料込)

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あきら

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by あきら (2007-10-14 14:59) 

人妻

かなりむごい
by 人妻 (2008-05-02 20:29) 

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