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奥の細道を歩く 第20回 福島~飯坂経由、桑折まで [奥の細道を歩く]

奥の細道を歩く第20回 福島~文知摺観音、医王寺、飯坂温泉~桑折 2007年2月13日~15日

2007年2月13日、南新宿からハイウエイバスにて福島へ向かう。23時10分にJR福島駅に到着後、タクシーで「ホテル福島ヒルズ」へ。ベットはダブル、机に椅子は背が高い立派なもの。部屋には冷蔵庫、空気清浄機付き、大浴場もある。朝食におにぎりやトースト、卵料理、サラダ、味噌汁、コーヒーがサービスで付き4,935円とは掘り出し物だ。

 翌日玄関を見て驚いた。雪がこんこんと降り続く。傘を差しながら、宿を7時25分に出発。すぐそばの国道沿いのバス停から乗車し、前回の場所「岩谷下」で下車。雪が1センチ積もり、文知摺橋手前のコンビニで雨合羽を購入する。

 8時、Y字路を左折した突き当りが「文知摺観音」、入り口は閉ざされているが、境内に侵入する。右手に受付所があり、拝観料400円とある。一面雪景色で足跡がひとつもない。右手にある老桜木の脇に芭蕉立像が、左手に鐘楼がある。文永4年(1267年)、鎌倉時代の板碑や元禄9年(1696年)福島城主掘田正虎が顕彰した碑がある。正面に観音堂、奥右手に高さが2mはある「足止め地蔵尊」。左の高台に宝永6年(1709年)に改築されたという方形造りの「多宝塔」が白銀に映える。

文知摺観音入り口

観音堂

方形造りの多宝塔

芭蕉句碑

芭蕉立像
 ご本尊は二寸二分(16センチ強)の行基菩薩の木造造り。ご開帳は33年毎という。裏山を一通り新雪を踏み分けて歩く。最後に芭蕉の句碑「早苗とる 手もとや 昔しのぶ摺(ずり)」を確認して8時35分に出ると、駐車場に寺の女将さんか?車を駐車して、「中はいいんですか?」と声をかけてくれた。「そうだ 拝観料をお支払いしていませんでした。」というと「いいんですよ。雪ですから、気をつけて行ってください」と見送られた。しばらく歩いてから、さて文知摺石を忘れていた・・・。雪ですっかり埋もれていたので、気がつかなかった。そこで私の一句「つもる雪 文知摺石(もじずりいし)忘れさせ」

歩道はほとんど歩いていないため、靴はますます雨水が浸透し、つま先がびちゃびちゃ。たまらず、時々靴下のつま先を絞り、新聞紙をつめて水を吸い取る。少しは暖かく感じるが数分しかもたない。月の輪から月の輪大橋を抜ける。国道4号線近くにあるミルキーレストランを目指すが、10時過ぎに着くと営業時間は11時からだと。積雪は2センチを超え、いよいよ限界だ。左手の作業服の「アタック福島店」に入店し、長靴を購入する。女性店員の方の気持ちのよい対応に励まされる。今まで履いていた運動靴を腰に下げ、雨合羽を着て歩くという、知り合いには見せられない格好だ。JR東北新幹線・東北本線を過ぎ、県道13号線を右折する。東北道入り口を過ぎ、ヨークベニマルを左折、福島交通飯坂線踏み切りを右折(飯坂街道)。右手は平野駅、ズボンの裾もびしょびしょ。うどんの大八車で熱い鍋焼きうどんを賞味。ここで今夜の宿泊先、ホテル聚楽を予約する。医王寺を目指すが、途中菓匠吉兆のオーナーが買い取った絵を展示した「福島 片岡鶴太郎美術庭園」に出会い、見せていただく。

裏の駐車場から近いという医王寺へ向かう。医王寺は弘法大師の創建で薬師如来がご本尊。入館料300円を支払い、参拝後宝物館「瑠璃光殿」へ行く。

芭蕉が訪ねた医王寺

「瑠璃光殿」の弁慶の「笈(おい)」
弁慶の笈(おい)、義経の太刀も展示され、芭蕉も同じものを見たのかと思うと緊張のひと時。平安時代、藤原秀衡に仕えた信夫庄司基治と子継信・忠信兄弟の菩提寺で墓は奥にある。芭蕉坂を下り、飯坂温泉の鯖湖湯へ向かう。飯坂温泉駅で記念切符を購入して後、駅前の十網橋袂の芭蕉句碑を鑑賞。

十網橋たもとの芭蕉像と句碑
摺上川対岸にもホテル群が威容を誇るが裏側なので古びた建物に見える。先の福住ホテルを左折した突き当たり右が鯖湖湯だが、今日は臨時休業日で残念だ。鯖湖神社と脇に飯坂温泉発祥の石碑が立つ。鯖湖湯は、平成5年に改築した贅を尽くした木造の立派な建築物だ。



共同浴場「鯖湖湯」
仕方なく古い町並みをたどりながらホテル聚楽へ。8階のフロントでチェックイン後部屋へ案内していただく。4階の部屋は和洋室で設備は十分、清潔さも合格。今夜の男性用の大浴場は「かみなり風呂」と別棟の「露天風呂」。昨年鳴り物入りでオープンした「ゆらり」には翌日入浴する。「ゆらり」の浴室には5ヶ所の湯船があり、その中でも人工的に造った炭酸泉風呂が注目される。内風呂はすべて循環・加水・塩素殺菌である。露天風呂は59度のアルカリ性単純泉の源泉掛け流しで、気持ちがよい。


「ゆらり」湯上りコーナー

源泉掛け流しの露天風呂

自慢の人工「炭酸泉」風呂

夕食は聚楽グループ自慢の約50種類のバイキングで特に牛フィレステーキが評判だった。詳しくはマツノヒデマサお勧め温泉宿「飯坂温泉ホテル聚楽」を参照のこと。

翌日2月15日、食事前の「ゆらり」入浴後、さらに昨日入浴できなかった共同浴場「鯖湖湯」へ行く。戻ってから、フロントの小野氏とひとしきり温泉街活性化に熱心で、朝食が遅くなる。14階での展望レストランでの食事中、窓外は大雪。今日も歩くべきか否かをしばらく思案中。結局、荷物になるからと長靴、雨合羽、資料等を売店から宅急便で送ることにする。9時50分、霧雨の中を出発。十網橋を渡りすぐに右折し伊達方面へ向かう。横殴りの雪やら、そうかと思うと晴れ間を見せたり、荒れ模様の天候だ。10時16分、新幹線高架を通過、じきに伊達市へ入る。JR伊達駅入り口を通過し、旧奥州街道(国見飯坂線)に左折で入る。片町右手にレンガ造りの塀に豪華な旧家造りの家がある。突き当たりに、桑折寺がある。

西山城から移築された山門と桑折寺
中世の山城で伊達氏が居城としていた西山城の山門(天文17年1548年)をここに移築した室町時代の建築物。右折したところで、また吹雪となる。一刻も急がなければならないというので、線路の内側の近道を駅に向かったので、この先にあった明治12年築の国重要文化財の旧伊達郡役所を見損なった。JR桑折駅には11時40分着。桑折は飯坂温泉から東へ2里約8kmの位置になる。
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hide-m

xml_xslさん ご訪問とnice! をありがとうございます。
by hide-m (2008-01-12 12:38) 

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