SSブログ

奥の細道を歩く 第39回 弥彦~西生寺~出雲崎  2008年12月16~17日 [奥の細道を歩く]

第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 093.jpg
出雲崎 「良寛と夕日の丘公園」

 今年最後の「奥の細道歩き」になる。「奥の細道を歩き」はじめて丸3年になり、感慨深い歩きになりそうだ。この時期は、大人の休日倶楽部のプランで、3日間新幹線を含めて12,000円で乗り放題というお得な期間であった。東京から新潟へ、越後線・弥彦線に乗り換えて、前回歩いた到達点の弥彦へ着いたのが10時30分。1キロほど西へ行くと、観音寺温泉に着く。ホテル上州苑はペットと泊まれる宿と聞き、取材に立ち寄った。
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 022.jpg
観音寺温泉 上州苑

 オーナーの徳永勇氏にお話を伺い、ついで部屋と浴室を案内していただいた。観音寺温泉は応徳元年(1084年)に岩脈を発見されたという歴史を持つ。東館の部屋と浴室を見せていただいた後、私がこの温泉はまだ未入浴だと話すと「じゃあ、入浴したら・・・」の声に甘えて、入浴する。25度源泉の含硫黄-ナトリウム塩化物冷鉱泉で加温・循環している。わずかに硫黄臭があったが、じきに慣れてしまうせいか感じなくなる。ジャグジーとサウナ用水風呂は、水道水を使用。男女別浴槽は、20時から23時まで交代制になる。窓外に見える桜の古木は、4月中旬が見ごろとのこと。
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 007.jpg
東館のお部屋
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 014.jpg
大浴場 浴槽が二つ
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 019.jpg
ジャグジー風呂
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 024.jpg
越後33観音札所23番「観音寺」

 スカイライン入り口にある観音寺前を通過して、日本最古のミイラ寺で知られる西生寺を目指す。12時18分、弥彦山と国上山の鞍部にあたるところに荒れた小道跡があり「旧北国街道峠道」の標柱。
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 025.jpg
「旧北国街道峠道」

猿ヶ馬場を左折して、下った突き当りを右折し500m登ると西生寺。「西生寺 ここまで来たか 芭蕉みち」「西生寺 法話ひも解く 師走かな」

第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 030.jpg
西生寺正面
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 031.jpg
西生寺本堂

海雲山西生寺は、12年に一度の秘仏・阿弥陀如来像が開帳され、今年10月2日~11月16日までご開帳だった。その秘仏は三千年前インドで鋳造された約6センチの純金物という。500円の拝観料を志納し、80才になられる前住職阿刀隆信さんの案内で、即身仏・弘智法印が安置されているお堂へ。300年もの歴史を重ねる建築物や精緻な一木一刀彫の欄間が素晴らしい。隆信さんは私の安全供養をしながら、片手で厨子を覆う幕に繋がる糸を操り、次第に弘智法印の御身を見せてくれる。深く胡坐をかいた姿はとても小さく見える。帰りの階段を下りながら、私が「奥の細道歩きの記念にお言葉を賜りたい」とずうずうしくも申し出ると、「私は色紙を書くのは苦手だが、前に書いた失敗したものがあるが、それでもよいか」とおっしゃるので、ありがたくいただいた。「掬水月 在手」(水を掬すれば月 手に在り)の色紙だ。境内には芭蕉句碑「ふみ月や からさけおがむ のずみ山」
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 037.jpg
即身仏・弘智法印が安置されているお堂
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 038.jpg
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 039.jpg
建造300は経つという見事な建築芸術
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 040.jpg
お堂内部の厨子

展望台からの日本海や佐渡島の眺望に感激の余韻を持ちながら、野積へ下る。
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 045.jpg
西生寺展望台からの眺望

13時35分、酒造り杜氏を育てた「野積杜氏」碑を通過、道路の上を這う「弥平のなげし松」をくぐる。右手から這う樹齢500年の松だ。別名「弘智法印道しるべの松」
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 051.jpg
「弘智法印道しるべの松」

14時25分、海岸を歩き、荷帰り入浴施設「寺泊岬温泉 太古の湯」でようやく昼食をとる。対面には、ホテル飛鳥。はたはた唐揚に岩海苔ラーメンを食べた後、入浴する。47.5度のナトリウム・カルシウム-塩化物強塩泉で、ナトリウムが5854mg、カルシウム2018、塩素12870、メタホウ酸126.3mgと濃度の高い温泉。味は塩辛いが、分析どおりであればもっと濃いはずだ。源泉が遠いのか循環が強いのか。2005年4月、地下1100mからの湧出で、1,300万年前の古代海水と呼ばれる「太古の湯」
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 054.jpg
「太古の湯」

16時10分、魚の徒町・寺泊に着く。一時ほどの賑わいはなくなったが、立ち並ぶカニや魚の店に買い物客が行き来する。
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 061.jpg
寺泊の魚市場

カレイの塩焼きを頬張りながら、本日の宿「割烹旅館 田甚」へ。朝6時には出たいので、夕食付きの7,150円と値切った。二階の和室6畳はバスなし・トイレなしの部屋で、廊下の行き来や話し声が聞こえて、気がめいる。1階の浴室は寺泊温泉で、3~4人は入れる岩風呂風浴槽。加温・循環で無色無臭。お客は私の外には、海釣りの男性客ひとりのみ。夕食はお部屋で、たら親子漬け、枝豆、お造りはトロ・鯛・甘エビ、松葉蟹、鰈の煮物(流石にこれはうまい)、鮭の塩焼き、冷めた鯵と牡蠣のフライ、寺泊自慢のかまぼこなど。
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 063.jpg
「割烹旅館 田甚」
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 073.jpg
田甚のお部屋
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 072.jpg
浴室・寺泊温泉
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 065.jpg
お部屋での食膳

12月17日、6時に宿を出て、暗い道を歩く。寺泊水族館を過ぎ、6時30分に夜が明ける。「師走なり 芭蕉歩きも 三歳(みとせ)経ち」 7時、郷本にはいり、「郷本空庵跡」「海蔵寺玄徳寺跡」碑あり。寛政8年良寛39歳の頃、円通寺での修業の後、出生地の出雲崎を素通りしてこの郷本に庵を構えた。ここから10m海中側だったという。通りの家の軒下に干し大根が見られた。「干し大根 越後の浜の 芭蕉みち」
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 075.jpg
「海蔵寺玄徳寺跡」碑

出雲崎へは入り、羽黒神社角の小林石材店前には、良寛さんがいっぱい・・・。流石に良寛さんの出身地だ。
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 084.jpg
良寛さんがいっぱい

お母さんに良寛堂の場所を尋ねると、「まあまあ 遠くからご苦労様。朝茶でも飲んでらっしゃい!」と店に招かれた。食堂浜勝の女将さんだった。「妻入りの町並」パンフレットをいただいた。この店も妻入り造りで奥行きが長い。壁に日本画が飾られていたので、訪ねると「ここに通ってくれた絵描きさんが良寛記念堂の丘から描いた風景画で、いただいたんです。田町さんという日展でも入選している絵描きさんです」「芭蕉が詠んだ天の川は、私はまだ見たことがないが、漁師さんが夜明け前の漁で天の川を見たことがあるといっていた。」
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 088.jpg
食堂「浜勝」の座敷
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 086.jpg
田町画家の絵

良寛堂に立ち寄ってから、長い階段を登って、良寛記念堂と「良寛と夕日の丘公園」に向かう。晴天のため日本海や佐渡島、弥彦山の展望がすばらしい。二人の子供たちに語りかけるやさしい良寛の風情が微笑ましい。
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 091.jpg
階段途中からの日本海の眺望
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 093.jpg
「良寛と夕日の丘公園」

旧道に戻り、芭蕉園へ向かう。生茂る古木の椿の前に芭蕉像と句碑「荒海や 佐渡によこたふ 天河」。投句ポストがあったので、「干し大根・・・」の句を投函した。はす向には、芭蕉が宿泊したという「大崎屋旅館跡」が残る。
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 109.jpg
芭蕉園の芭蕉像
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 110.jpg
芭蕉句碑
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 113.jpg
「大崎屋旅館跡」

さらに西へ行くと俳諧伝燈塚(芭蕉と焦門2世東華坊、3世3世廬元坊が出雲崎で詠んだ句を刻んだもの)がある妙福寺へ行く。細長い階段を104段登りつめる。宝暦5年(1755年)に建立されたとかで刻印は不明。
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 116.jpg
妙福寺に行く階段
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 117.jpg
妙福寺
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 119.jpg
俳諧伝燈塚

ここから出雲崎駅に移動しようと10時15分発のバスの便が気になる。

ここまでが今回の奥の細道歩きの目標だったので、この後は、温泉めぐりにする。信越線塚山駅の近くに「西谷鉱泉」があり、入浴を試みる予定だ。が、出雲崎駅からの柏崎駅方面の便が13時01分まで無いことを知った。仕方が無い。このバスの終点・長岡駅まで行くことにし、長岡駅から信越線で行くことにした。バスの車窓からは、冬支度の様子がうかがい知れる。椿の木が縄で縛られている様子も見られた。「冬支度 椿縛られ 花気丈」縛られても、花は「私は元気よ!」と訴えているようだ。
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 126.jpg
冬支度の椿の木

信越線塚山駅は静かで小さな駅だ。正面をまっすぐ道沿いに直進。橋を渡った突き当たりに、旅館が左から湯元旅館、中盛館、しぶみ館別館と三軒並んでいる。中盛館に入浴を所望する。約300年前から湯治宿として知られ、特に虫刺され、蛇などの傷に特効性があるといわれた。源泉は17度の硫黄泉だが、無色透明、加温・循環している。入り口上の壁には、明治10年の効能書き額が掲げられていた。
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 129.jpg
西谷鉱泉 中盛館
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 134.jpg
浴室
第39回 奥の細道を歩く 弥彦~西生寺~出雲崎 2008年12月16~17日 130.jpg
明治時代に書かれた効能書き

今回の「奥の細道歩き」で温泉入浴は、観音寺温泉、古代の湯、寺泊温泉、西谷鉱泉の四ヶ所入浴することができた。今回も多くの方々との出会いがあり、印象深い思い出が刻まれた。


冷え性対策に「遠赤外線 田口式健康サポーター」


奥の細道を歩くhttp://www.a-spa.co.jp/tabi/nikko/

全国おすすめ温泉宿http://www.a-spa.co.jp/onsen-yado-index.htm

ペットと泊まる温泉宿 http://www.a-spa.co.jp/pet/
温泉水ショップhttp://www.a-spa.co.jp/onsen-shop/index.html

旧街道をあるく旅http://www.a-spa.co.jp/tabi/nikko/

温泉夜話 http://www.a-spa.co.jp/yawa/index.htm


nice!(8)  コメント(9)  トラックバック(1) 
共通テーマ:旅行

nice! 8

コメント 9

hide-m

チャッピィーさん ご訪問とnice!をありがとうございます。

by hide-m (2008-12-23 14:54) 

ryon

北国街道から、ひなびた温泉
いいですなぁ~♪
by ryon (2008-12-23 19:12) 

youji

niceコメントありがとうございました。知りうる限りの事は書きました。分かりにくかったらすみません。
by youji (2008-12-24 19:17) 

hide-m

ryonさん ご訪問をありがとうございます。北国街道沿いには、今回入浴し      た他にもありましたが、歩きでは時間がかかるので断念したとこ      ろもありました。

toraneko-tcさん youjiさん sakさん ご訪問とnice! をありがとうござ     います。

youjiさん 台湾にも温泉が沢山ありますね。また台湾や中国本土の温泉       情報がありましたら、お 教えください。

by hide-m (2008-12-25 17:55) 

hide-m

kohtyanさん ご訪問とnice! をありがとうございます。


by hide-m (2009-01-02 08:28) 

チャッピィー

おはよう御座います。
ブログにご訪問頂き有り難う御座います。
此からも、お願い致します。
by チャッピィー (2009-01-09 07:31) 

hide-m

チャッピィーさん ご訪問とnice! をありがとうございます。

by hide-m (2009-01-28 07:56) 

ももこ

初めましてまもなく行く弥彦山調べていましたらこちらが出てまいりました。
温泉非常に詳しそうで今度ゆっくり見せていただきます(ρ_-)zzz、
by ももこ (2009-03-17 01:51) 

hide-m

ももこさん ご訪問をありがとうございます。是非またお越しください。
by hide-m (2009-04-16 07:50) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1