車谷長吉著「世界一周恐怖航海記」(文春文庫版)を読んで。 [海外のはなし]
車谷長吉著「世界一周恐怖航海記」(文春文庫版)を読んで。
地球一周クルーズ体験記を読みたいと探したら、3年前だかに平成10年「赤目四十八滝心中未遂」で直木賞を受賞した作家・車谷長吉氏のピースボート乗船記を見つけた。12月10日出航のピースボート地球一周南半球クルーズをまじかに控えて、今回再読してみた。
彼の妻・高橋順子さんのたっての願いで、詩人の新藤涼子さんと三人で平成17年(2005年)のクルーズに同行した珍道中記だ。珍道中というのは、車谷氏自身は海外旅行や世界一周に全く興味がなく、仕方なく同道したクルーズだったこと。それゆえにピースボートの何たるかに無関心な第三者として100余日のクルーズの日々を描いていることだ。船上生活の老若男女の恋愛や趣向話の体験や伝聞をあけすけに描いていることも面白かった。19年前に体験されたピースボート地球一周南半球クルーズで、今回私の行くクルーズとほぼ同ルート。今回のルートはラバウル、フイジー、ブラジルがなく代わりに南極が加えられている。なお、車谷長吉氏は2015年5月に69歳で亡くなられている。
さて、車谷長吉氏なる小説家の代表作を知らずしてもなんなのか~と思い「赤目四十八滝心中未遂」を図書館から借りて一気に読み終えた。昭和四十年代頃らしい底辺生活、裏社会に吾が身を置いた全身全霊で描いた私小説のように思えた。
川本三郎氏の解説を借りると━文壇を騒然とさせた第119回直木賞受賞作。
東京から尼崎に流れ着いた生島は四畳半のアパートの一室で、来る日も来る日も、モツを串に刺し続けた。尼ヶ崎の底辺生活で裏社会とかかわることになる。向いの部屋に住む女「アヤちゃん」の背中一面には、迦陵頻伽の刺青があった。ある日、女は私の部屋の戸を開けた。「うちを連れて逃げてッ」―ー。二人の逃避行が始まる。
救いのない人間の業と情念。圧倒的な小説作りの巧みさと見事な文章で、底辺に住む人々の姿を描き切った傑作。異色の私小説作家・車谷長吉の代表作。
2003年に荒戸源次郎監督、寺島しのぶ出演で映画化されている。
☆エッセイ温泉夜話:http://aspa.starfree.jp/yawa/index.htm
☆鎌倉街道を歩く https://hide-tabi.blog.ss-blog.jp/2022-11-09
☆「多拠点生活」ADDressを試してみる! https://hide-tabi.blog.ss-blog.jp/2021-10-24
☆過去に旅した印象深い景を描こう!シルクロード、スペイン巡礼を。
https://hide-tabi.blog.ss-blog.jp/2021-10-03
☆エッセイ温泉夜話 https://hide-tabi.blog.ss-blog.jp/archive/c35629-1
☆スペイン「聖地サンティゴ巡礼」の旅 2012年12月~2013年7月15日の記録
https://hide-tabi.blog.ss-blog.jp/2017-07-20
☆シルクロード・敦煌の莫高窟、鳴沙山、月牙泉へ。https://hide-tabi.blog.ss-blog.jp/2019-10-22
☆信州・白馬温泉に長期滞在し、ハイキング三昧へ! https://hide-tabi.blog.so-net.ne.jp/2019-06-14
☆ミャンマー最大の名所・仏教建築群バガンに来た! https://hide-tabi.blog.so-net.ne.jp/2019-02-15
☆インドネシア滞在の旅 出国審査で「違法滞留」https://hide-tabi.blog.so-net.ne.jp/2018-07-01
☆奄美大島へ友人と古民家探しに行く!http://hide-tabi.blog.so-ne.t.ne.jp/2017-12-28
☆危機一髪エッセイ http://hide-tabi.blog.so-net.ne.jp/2017-02-26
☆四国歩き遍路 第1番・霊山寺~第6番・安楽寺http://hide-tabi.blog.so-net.ne.jp/2017-03-25
☆北国街道を歩く 軽井沢追分宿からの挑戦!http://hide-tabi.blog.so-net.ne.jp/2016-08-12
☆旅と温泉の情報室 http://aspa.starfree.jp/
☆マツノヒデマサの旧街道を歩く旅 http://aspa.starfree.jp/tabi/nikko/index.html
★スペイン聖地サンティゴ巡礼を歩く 初日サン・ジャン・ピエ・ド・ポーから
http://hide-tabi.blog.so-net.ne.jp/2013-06-19
☆スペイン聖地サンティゴ巡礼を歩く・全行程の記録 https://hide-tabi.blog.ss-blog.jp/2017-07-20
☆海外温泉入浴珍道中 http://aspa.starfree.jp/junyoku/matsuno.htm
☆旅と温泉の思い出ショップ http://aaspa.web.fc2.com/shop/
☆おんせん県おおいたで、生活費1ヶ月6~7万円で過ごせるか挑戦中!第2弾
http://hide-tabi.blog.so-net.ne.jp/2014-02-01
地球一周クルーズ体験記を読みたいと探したら、3年前だかに平成10年「赤目四十八滝心中未遂」で直木賞を受賞した作家・車谷長吉氏のピースボート乗船記を見つけた。12月10日出航のピースボート地球一周南半球クルーズをまじかに控えて、今回再読してみた。
彼の妻・高橋順子さんのたっての願いで、詩人の新藤涼子さんと三人で平成17年(2005年)のクルーズに同行した珍道中記だ。珍道中というのは、車谷氏自身は海外旅行や世界一周に全く興味がなく、仕方なく同道したクルーズだったこと。それゆえにピースボートの何たるかに無関心な第三者として100余日のクルーズの日々を描いていることだ。船上生活の老若男女の恋愛や趣向話の体験や伝聞をあけすけに描いていることも面白かった。19年前に体験されたピースボート地球一周南半球クルーズで、今回私の行くクルーズとほぼ同ルート。今回のルートはラバウル、フイジー、ブラジルがなく代わりに南極が加えられている。なお、車谷長吉氏は2015年5月に69歳で亡くなられている。
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川本三郎氏の解説を借りると━文壇を騒然とさせた第119回直木賞受賞作。
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救いのない人間の業と情念。圧倒的な小説作りの巧みさと見事な文章で、底辺に住む人々の姿を描き切った傑作。異色の私小説作家・車谷長吉の代表作。
2003年に荒戸源次郎監督、寺島しのぶ出演で映画化されている。
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☆おんせん県おおいたで、生活費1ヶ月6~7万円で過ごせるか挑戦中!第2弾
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世界一周クルーズ、2005年頃というとまだブームの先駆けだったんでしょうね。毎日転々と場所を変えて旅するツアーとは違い、クルーズはリゾート型の旅ですね。せいぜい3週間くらいの旅しか経験してない私には百日余にわたる長旅と非日常、どう処すか、どうなるのか、なかなか想像できませんが羨ましいです。記事を拝見し、最近世界の船旅という番組をたまに見るようになりました。
by Jetstream (2024-10-12 15:06)
Jetstreamさん、ありがとう。老いて「時を気にせず、のんびり過ごす」ことも課題でしたが、長年の企業戦士意識はなかなか変わりません。100余日のクルーズで「のんびり過ごす」ことと「多分、残る人生最後の体験を刻みたい」との意識の狭間にいるのかなと実感しています。
by hide-m (2024-10-13 07:07)
車谷長吉さん好きな作家の一人なので、この航海記を先日、古本屋で見つけた時、買おうかどうしようか迷ったんでやすよね。
結局買わなかったんでやすが、そういう視点で書かれている一冊なら、今度、買おうと思いやした。情報ありがとうございやす。
「赤目四十八滝ーーー」は、氏の最高傑作でやすよね!
殊に、主人公がアヤちゃんと滝のある駅までの電車に揺られる件りは圧巻でやすね!
by ぼんぼちぼちぼち (2024-10-13 11:47)
ぼんぼちぼちぼちさん、ありがとう。私は「航海記」を見つけるまで車谷長吉氏のことは全く知りませんでした。「赤目八十八滝・・・」は、面白くて一気でした!
by hide-m (2024-10-14 07:15)
限られた読書の時間なので、浮気はしないつもり(^_^;) 今は佐伯泰英を昨秋からいろいろと読んでいます。文庫本で100冊以上(>_<) 世界一周クルーズ、良いですね(^_^)v 行きたいけど先立つものが(^_^;)
by yokomi (2024-10-24 19:44)
yokomiさん、ありがとう。一人の作家にですか?すごいです。拘れる特定の作家に出会いたいです。
by hide-m (2024-11-05 18:44)