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奥の細道を歩く 第48回 大聖寺~丸岡~天龍寺~永平寺~福井 [奥の細道を歩く]

第48回奥の細道を歩く 大聖寺~天龍寺~永平寺~福井
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天龍寺の芭蕉と北枝の像

2,009年11月14日~16日、越後湯沢まで上越新幹線。ここまでは空いていて、窓側の中年の女性はときどき紅を引いたり、お化粧に余念がない。「窓辺席 紅引く女性や 秋の雨」金沢までの特急「はくたか号」が大混雑で、自由席は立つ人でいっぱいだ。金沢駅で乗り換え、12時前にJR大聖寺駅に着く。
 前回は時間の都合で、芭蕉が泊まった全昌寺にいけなかったので、まずそこから。
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熊谷山全昌寺正面

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柳の木の下にある芭蕉句碑

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五百羅漢

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杉山杉風が彫った芭蕉座像

熊谷山全昌寺は、大聖寺城主玄場頭宗永公の菩提寺、芭蕉ゆかりの寺の他に五百羅漢でも有名。拝観料500円を支払い、ますは左手の芭蕉句碑「庭掃いて 出ばや寺に 散る柳」曽良の句「終夜(よもすがら)秋風聞くやうらの山」句碑は柳の木の下にある。五百羅漢は計517体あり、それぞれに寄進者の記録が書かれている。本堂で参拝後、左手にある展示品を鑑賞する。芭蕉の弟子・杉山杉風が彫った芭蕉座像が興味を引いた。15×15センチの木造。芭蕉は管生石部神社にも立ち寄ったが、駅からは遠いのであきらめた。

 雨が降ってきたので傘を差しながら、国道305号線に沿って歩く。吉崎御坊吉崎寺には14時着。蓮如上人が文明3年(1,471年)この地に来て浄土宗の教えを広めた。火事で焼け出された蓮如上人を背負った銅像や嫁脅しの肉付面、蓮如上人自画像を拝観。吉崎温泉の存在を訪ねると「もう20年も前に廃業し、資料館の一部になっている」といわれ、がっかり。
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吉崎御坊吉崎寺

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吉崎寺に寄贈にされた枯れた汐越えの松の一部

 汐越の松は、海と繋がる北潟湖に架けられた開田橋を渡り福井県の浜坂、芦原ゴルフクラブ内にある。305号線から900メートル入ったところ。14時20分に到着し、案内を乞うと岡田幸夫マネージャーがみえた。「土曜日はお断りしているんだが、空いている時間帯なのでご案内しましょう」丁度晴れ間がでて、松林の隙間から日本海の青い海、雄島(おしま:別名くじら島)が見えて美しい。レストハウスから5分歩いたところに枯れた松の巨木が横たわっている。「奥の細道 汐越えの松遺跡」碑がある。かつては「高さ七八尺から一丈六七尺ほどの御所松、根上り松、膝つき松、乱れ松」などがあったと記録に残る。
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日本海の眺望(雄島が見える)

ゴルフ場は50年前に造成し、そのときに残っていた枯れた一部を吉崎寺に寄贈していた。学生が卒論の準備で見学に来て、残っている枯れ木を切り取ろうとする不埒なものもいてけしからんという話も伺った。レストハウス正面に芦原温泉開湯100年記念の昭和59年に芭蕉訪歴碑を建立したのを最後に紹介していただいた。
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記念碑と岡田幸夫マネージャー

 北潟湖北側の国道305号線を歩く。ススキが強い夕陽に照らされて角度により穂が黄金色に輝いて見える。北潟湖に群れる鴨が並んで一斉に羽ばたき、そのときの水しぶきが噴水のように一瞬見えた。「噴水のごと飛ぶ鴨の しぶきかな」ここから芦原温泉まで歩きが長くつらく感じる。
共同浴場「セントピアあわら」に着いたのが17時30分。2階のフロントで入浴料500円を支払って浴室へ。男子用「地の湯」は、吹き抜けの広い浴室、高・低温の大浴槽、寝湯、釜風呂(蒸し風呂)もある。女子用は円形の大浴槽。交代制だという。44・3度のナトリウム・カルシウムー塩化物泉で外には足湯と飲泉用の湯口もある。ここからはバスでJR芦原温泉駅まで移動した。
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JR芦原温泉駅前の平和館

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平和館の夕食膳

宿は駅前にある「平和館」すぐに夕食を所望し、1階の食堂でいただいた。きのこやモヤシ・鳥肉のアルミホイル焼き、中華エビチリソース、ポテトサラダとしょうが焼き、マグロ刺身、ぶろっこり細切り炒めと皆温かい料理でとてもおいしかった。宿泊料は1泊2食つきで6,500円。お部屋は2階の和室6畳トイレなし、踏み込みにはテーブルイス付き、床の間付き。外はイルミネーション点火式だとかで21時までジャズ演奏が行われていた。疲れているので部屋で聞くだけだ。
11月15日
朝食後、7時30分に旅館をでて、JR芦原温泉駅で記念切符を購入後歩き始める。すでに雨が降っていたので、雨合羽を着ての歩行だ。風がとても強い。「木枯らしや カラスふらつく 田虫とり」9時20分、丸岡城に着く。芭蕉は丸岡を通過していないが、私は初めての場所なのであえてこのルートにした。天正2年(1,574年)、建築、昭和34年に売却、譲渡され、天守閣と石垣のみが残っている。
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日本最古の天守閣 丸岡城

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丸岡城2階からの展望

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丸岡城の内部

昭和9年に国宝に指定。23年に地震で倒壊、したが26年に復元、30年に完成した。別称「霞城」城周辺に400本のソメイヨシノが植えられ、満開の頃には桜の花の中に城が浮かんで見えるという。高さ22m、階段は高く結び付きロープが用意されている。1階の大黒柱は、直径45センチ、2階のは直径24センチはある。日本最古の天守閣という。435年前の大黒柱にさわり、戦国時代の武将の姿を夢想し時空を超えて感動!近くの喫茶店「ぶんぶん」でコーヒーを所望。丸岡城の一角に地震で唯一残ったタブの木を観る。県道17号線・寄永から県道110号線で九頭竜川にかかる五松橋をわたる。雨の中、フルマラソンが行われていた。「永平寺 散る秋四度目 芭蕉みち」「ただ歩き 不便またよし 晩秋や」

 踏切を渡り、「春日」を左折し左手に役場へ。対面で農家栽培の野菜がすべて100円で小母さんたちが売り子でにぎにぎしい。記念に写真を撮らせていただいき、銀杏一袋を購入。松岡小学校の対面が天龍寺で、入り口には2体の延命地蔵、すぐ芭蕉塚がある。芭蕉150年忌にあたり、天保15年に建立された。
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天龍寺入り口の芭蕉塚

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芭蕉と北枝の像

芭蕉は天龍寺和尚大夢を訪ねて元禄2年(1,689年)8月11日北枝とともに旅だった。途中の茶屋にて別れの句「物書きて 扇引きさく 金羽(なごり)かな」福祉会館の隣に建つ本堂、正面に芭蕉と北枝の像がある。13時に金龍レストランで野菜炒め定食。国道416号線、東古市で右折する。天山、荒谷を通過、観光案内所で宿探し。結局、東古市駅の近くの旅館「つむろや」を予約する。永平寺着は15時20分、門前町に入ると添乗の仕事でよく来た食事処&土産屋「井上」や「ほっきょ荘」を見て思い出した。銀杏ともみじの紅葉が美しい。拝観料500円を支払い、大忙しの参拝を試みる。
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永平寺入り口

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承陽殿

 参拝後のバスの便は、16時35分と知る。永平寺境内の紅葉は最盛期で美しい。中国人観光客が目立った。仕事で何度も来ているが、初めて宝物館に足を運んだ。1,774年(安永3年)作の達磨大師像、鎌倉時代1,327年(嘉暦2年)の梵鐘など。荒谷まで歩いてバスに乗る。東古市の「つむろや」津室屋旅館はバス停から近い信号の角。母屋は100年もたつ贅を尽くした古い建物で伊藤家三代目とか。九頭竜川の釣り師達には有名な旅館らしい。当家の娘夫婦が迎えてくれた。お風呂は広々として気持ちがよい。今日の客は私一人か?夕食は母屋の一角のお座敷でいただいた。食膳は、子持松葉蟹一杯と焼き肉と焼きニンニクがたっぷりはいったもの。じっくり味がしみこんだ里芋や厚揚げなどの煮物、キャベツ・ポテトサラダにしょうが焼き、子なす・こんぶをこうじでつけた「はまなみそ」、ご飯と味噌汁はおかわり自由セルフサービス。長男夫婦はオーストラリアゴールコーストのアジアンレストラン「ワンオーワン101キッチン」に勤め、将来は自分の店を持つのが夢とか。私の娘もゴールドコーストに嫁にいったので、店の名前を教えていただいた。朝食にも驚いた!お刺身のかんぱち、大根おろしにいくら、半塾目玉焼き、みそ、焼き海苔、しらす、豆腐の味噌汁にご飯。
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築100年という母屋とお座敷

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感激の夕食膳

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朝食

7時15分に女将さんに天山までおくっていただいた。芭蕉は松岡の天龍寺から永平寺へ越坂峠の道を往復したようだ。今の県道165号線で旧道はわからないのでせめて片道は越坂峠を超えようと思った。登りはなだらかで、15分もいくと右手にニ体のお地蔵様。そこから100mで下りになる。途中落石で車での通行を妨げている箇所があった。
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越坂峠にある道標

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落石のある道路

7時52分、町を見下ろす場所へ、国道416号線(トンネルのある新道)を越して国道113号線を交差する右折すると昨日行った天龍寺に行く。県道165号線からえちぜん鉄道に沿ってJR福井駅に向かう。長本で右手に「極楽湯」の看板を見つけた。右折して3分、営業時間は9時からで入浴料金は、内湯のみで370円。40・4度のカルシウム・ナトリウムー硫酸塩・塩化物泉。浴室は吹き抜けの浴舎でひろびろ。白湯、ジェット湯、電気湯の他に露天風呂、サウナもある。
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1「極楽湯」0時15分にJR福井駅に到着。観光案内所で芭蕉ゆかりの地を聞く。以外に残っていない。北西徒歩で15分の左内公園に行く。ここには橋本左内の像や顕彰碑があり、一角に芭蕉が福井を訪れたとき、俳人洞栽(とうさい)が迎えたがその住宅がこのあたりだった。「芭蕉宿泊地洞栽宅跡」碑と近くに句碑「名月の 見所問ん 旅寝せん」大理石なので白く光ってとても見にくい。
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左内公園

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「芭蕉宿泊地洞栽宅跡」碑

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JR福井駅に戻り、特急金沢、越後湯沢、東京で乗り換えて帰宅する。福井からの特急が遅れたことから、つなぎが悪くなり、ホームで待たされることもあり、つい一句。「秋日和 ホームで酒と 焼きアナゴ」

第47回 奥の細道を歩く 那谷寺~山中温泉~大聖寺
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第46回 奥の細道を歩く 金沢~小松~那谷寺
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第45回 奥の細道を歩く 高岡~倶利伽羅峠~金沢・東
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第44回 奥の細道を歩く 滑川~放生津八幡~高岡
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第43回 奥の細道を歩く 市振~魚津~滑川 
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第42回奥の細道を歩く 名立~糸魚川~親不知~市振
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第41回奥の細道を歩く 米山~鵜の浜温泉~直江津・高田~名立
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ryon

素敵なところです、行ってみたいですね♪
by ryon (2009-11-20 19:51) 

pipopo

ご訪問&niceありがとうございます。
by pipopo (2009-11-23 00:41) 

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