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文学を訪ねる温泉紀行 7.城崎温泉 [文学を訪ねる温泉紀行]

文学を訪ねる温泉紀行 6.城崎温泉文学を訪ねる温泉紀行 城崎温泉.jpg
金森達 画

 兵庫県の代表的な温泉・城崎温泉は、温泉街の真ん中に清流大谿(おおたに)川の両側に柳や桜並木と木造三階建ての旅館群が目を引く情緒的な温泉地である。それぞれに個性的な7ヶ所の共同浴場があり、入浴客の浴衣と下駄履きで外湯めぐりのお客が風情を掻き立てている。養老元間(717年)僧道智上人が曼荼羅一千日祈願により、温泉が湧き出したという。文人墨客の滞在も多く、特に短編小説「城崎にて」の志賀直哉が有名である。大正2年、東京・山手線で列車の接触事故にあい、城崎温泉で療養のため三週間逗留したときの作品である。助かった自らの命について、逗留中の城崎で出会った蜂や鼠、イモリの死と重ね合わせて心情を吐露したものである。小説「暗夜航路」も後に城崎温泉で書き上げた作品である。作品中、主人公時任謙作は「三木屋」に宿泊し、外湯「御所の湯」へ行っている。他に田中冬二、徳富蘇峰、有島武郎、泉鏡花、島崎藤村、与謝野鉄幹・晶子も訪れた。

 追記;2007年4月4日、26年ぶりに城崎温泉へ出かけ、「まんだらや」に宿泊した。外湯巡りに挑戦し、「一の湯」「柳の湯」「御所の湯」と宿に隣接する「まんだらの湯」に入浴。翌日「地蔵湯」にも入浴した。入浴できなかったのは「さとの湯」と「鴻の湯」の二ヶ所。巡浴中、突然あられが降って、バスタオルを頭にかぶって歩いていた時に、近所の宿の主人が「これをさしなさい」と宿の名入りの傘を差し出してくれた。宿同士の助け合いがごく普通に行われている様子が感じられ、とても気分のよいものだ。外湯はすべて加水・循環・塩素殺菌でどこも塩素臭が強く、私にはとても残念な温泉場だった。共同湯は町営で、職員に「塩素臭は何とかならないのか?」というと「塩素臭があるから安全なんです。」と居直られてしまった。かつての文人たちだったら、今の塩素臭ぷんぷんの温泉場をどう思っただろうか。ぜひ本物の温泉を守る取り組みに本腰を入れて欲しい。


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hide-m

kohtyanさん いつもご訪問とnice! をありがとうございます。
by hide-m (2008-03-16 08:39) 

tmykj1

hide-mさん、nice&コメント有難うございました。
しばらく私のブログは放置状態だったため返事が遅れてしまいました。
これに凝りずまたお立ち寄りください。
by tmykj1 (2008-03-17 02:19) 

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